#17 こどもたちからの手紙

「怒」もツップのフィールド

もうね、理屈じゃないんですよ。

ロジカルシンキングは確かに大事です、

順序だてて、論理的に展開する、スキルですね。



でもね、この手書きの威力を前にすると、

論理性というものは、脆くも力を失い、

その意義は虚しく水泡に帰すのですよ。




…お手紙を書いてくれた方は、

察するにお子さんだろうと思います。



2行目に早速、大人たちは直面を食らいます。



「守れていますか?」



この言葉はきっと、あなたが、

到底守られていないじゃないかという、

怒りにも似た感情がそうさせたのでしょう。



その怒りはどこから来ましたか?

何を見て、どんな感情が、

その想いに行き着かせましたか?



大勢の中の一人であることも、

他の人を想うことも、

全てはこの、何に怒ったのかという、

感情のもとに起因しますよね。




『喜怒哀楽』という4文字熟語の中で、

案外語られないことがあります。



「怒」だけが、他の3つと違うことがあります。



喜も哀も楽も、

ドラマになったり、映画になったりします。


でも、怒だけが、

あまり作品になりません。


討論番組はある意味で「怒」を引き起こしてますが、

多分それが狙いではないでしょう。




ツップはもしかすると、

この「怒」を表現し、

皆さんが感じた世の中の「怒」を、


ツップを介して訴えていく、

そんなメッセージフィールドになる、

大変珍しいものになるかもしれない。




このお手紙、

決して「この野郎」とか、「お前なあ」とか、

直接的な怒りはないですが、

しかし私のようなおじさんには、

未来を憂いだ、渾身の「怒」が見えたんです。




このメッセージ込められた、

「忘れないでください」に内包された怒が、

どうしても、わたしから、離れないのです。



《守られていない》怒を《受け取った》私が、

こうしてツップを語る。



否、これは私が語っているのではなく、

“語らせて頂いている”ということに、

気付かせてもらったお手紙です。


そして、ツップというフィールドが、

作品に相応しくない(ように見える)、

怒というものを表現できる、

稀有な場でもあったということに、

私は気づかせて頂きました。



しかし、見事です。


怒という熱っ気が、やがて人を動かし、

世の中を動かす。


熱には経験も年齢も関係ない、

等しく公平に、熱電動は心を伝う。


大人の気難しいロジックが、

ほろほろと崩れ落ちる。



だから、冒頭の言葉になる。





そう、理屈じゃないんですよ。

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