#25 スポーツの遠征

部活の合宿では、泊まった宿泊施設をめちゃくちゃ綺麗に掃除して帰るのですが、自分が旅行で宿泊施設を利用するときはそんなに意識しないです。スポーツマンシップは意識されているけど、ツーリストシップって意識されていないのかなと思いました。どう思いますか?

Tさん

飲まれて 澄んで

なかなか面白い気づきですよね。

部活だとちゃんとするのに、

プライベートだとなぜか疎かになる。


もう冒頭から答えちゃいますが、

そうやって《気づいたこと》が、

もうそれ、十分すぎる、

ツーリストシップです、ハイ。


よって貴方は、

《できていない》事の気づきによって、

ツップを実行している最前線にいるというわけなのです。



結局その気づきは、

あなた自身がその姿勢を知らなかったというわけでなく、

ついつい、プライベートだと、忘れちゃうんですという、

《既に持っている》からこそ《忘れられるん》ですよね。


まだ持っていない、

自覚がない、気付いていないのであれば、

《忘れること》さえ、できない。




♪忘れてしまいたい事や

 どうしようもない寂しさに



河島英五の代表作、

『酒と泪と男と女』の冒頭の歌詞。


これを、

もう30年ほど前だろうか、

ある若手お笑い芸人が




♪忘れてしまいたい事が


 思い出せない




と替え歌を披露し、

時間差で面白さが襲ってくるこの静かなインパクトが影響してか、

未だに脳裏から離れないわけですが…


(こういうシュールというか、

 爆発力のないものほど、余計にこびり付くこと、

 ないですか皆さん)


つまり、

思い出せないのは、もうそれがないから。

忘れてしまいたい事はもう、

《忘れている》のですよ、

こうなると始末に負えない。


だって、ないんだから。



貴方の気づきは、

既にツップが、《あったから》という

何よりの存在証明なのですから、

その調子で、合宿ではしっかりシップを発揮して、

ある日の旅行先で、時折《思い出したら》、

ツップの行動をちょと、やってみる。



日々の小さな、

片足でひょいと登れるくらいの、

ささやかな段差にこそ、

ツップは宿るのであります。



思わぬ歌詞を引用してか、

『酒と泪と男と女』の脳内再生が止まらない。



♪飲んで 飲んで

 飲まれて 飲んで

 飲んで 飲みつぶれて

 眠るまで 飲んで

 やがて男は

 静かに寝むるのでしょう



貴方のその、

どこまでも澄み渡る、

清らかで静かなツップ魂に、乾杯。