#10 旅は道連れ世は情け
最近、旅は道連れ世は情けという言葉を知りました。
これってツーリストシップと関係ありますか?
言葉の揺り籠
…面白い(笑) たった2行のシンプルな質問だから面白いというのもありますが、 「関係ありますか」という「関係性」を問うてくる感じが、 何とも乙な感じというか、ちょっとこちら側の様子を伺っているような、 ある種の「気配り」を感じたわけでございます。 ツップの真髄は、それこそ気配りよろしく、 双方向だと思っています。 よって《無双》というものは、その逆ですね。 意味は凄い言葉なんですけど(笑)、 ツップとしては、 あまり親和性が期待できないですね。無双だと。 一人勝ちは、あまり広がっていかない、 そんなイメージを、ツップには、抱いています。 旅は道ずれ、色んな人と共に行くと良し、 情けを掛け合うのもまた、旅に限らぬ人情というもの。 そういう意味では、ツップとは、 なるほど、「関係ありますね」。 まず、この言葉を知って、 「ツップと関係あるのか」という問いが生まれたこと。 ツップを思い出してくれたことが、 もうそこで、ツップなんですね。 小生が子どものころ、 当時まだ生きていた祖母の家に遊びに行ったとき、 掛けられていたカレンダーにこんな言葉がありました。 『かけた情けは水に流せし、受けた恩は石に刻め』 自分がやった親切は忘れられて、 もらった親切はずっと覚えておけという…。 そんなイイ人いるのかと、 幼いながらも遠めに見ていたのですが、 なぜか今、そのことを想い出しました。 この2つの言葉に、 明確な関係性を見るわけではないのですが、 ツップを育む私たちにとって大切なのは、 いつからでも、どこからでも、 さっと《蘇ってくる》かどうか。 その言葉に出会い、 あ、そういえばと、つながっていく。 それこそ、関係性が、生まれていく。 言葉によってツップが現れることも、 ツップ蘇生装置として(無機質に聞こえますが)、 大切なんだと思います。 そして私にとって、 この2つの文章に、つながる関係性を見出した、 正しいも間違いもなく、そうつながった私なりの、体験。 これがツップなんだと、思うんです。 『旅は道連れ、世は情け』 ツップとの、意味においての関係性を聞かれ、 うん、確かにその通りと頷いたに留まらず、 言葉がツップを運んでくる、 そういう関係性もあっていいと、 気付かせてくれた言葉というものは、 人の心に留めおくための、 重要な揺り籠なんだということ。 そうか、だからこの、 ツップ研究所という言葉の揺り籠が用意されたのかと、 お恥ずかしながら今こうして、 気づかせてくれたわけです。 やっぱり、大事だなあと。 それは、言葉というものは、 愛にもなり、凶器にもなるという証。 この両面がやはり魅力なのかもしれません。 関係性が、やがてどちらにも表情を変える。 愛の関係にするか、凶器の関係にするか、 それさえも、世は情け。 だから余計に、…面白い(笑)。